小町酒造株式会社 金武様

まず一般の方には「お酒造りの世界に派遣の人が入っていいの?職人の世界では?」という疑問があると思うのですが、そのあたりはどうでしょう?

仰る通り、間違いなく職人の世界だと思います。ただ、実は一番大事なのは洗ったり、片付けたりというところなんです。よく酒造りの職人なんて言いますけど、決して人間が作るのではなく、微生物(酵母)が勝手に作っているので。そう考えると結局やることと言えば掃除洗濯。お二人(弊社派遣スタッフ)には失礼ながら根幹の醪管理だとか麹を作っているところには今回携わっていただいていません。
小さな蔵が一番困っているのは人手がなくて、洗い物がだんだん雑になること。毎日洗っていたものが二日に一回になり・・・やはり手が追えてないんですよね。
大手さんはその辺は完全に機械化されていますし、殺菌がうまくできていますので、ある程度問題ないんです。
極論を言えば、毎日床磨きをした方が良いに決まっていますので、そういう意味でいうとそこの助けというのは派遣の方にお願いできる部分ですし、一番大事なところなので、ご依頼しました。
言われたことを几帳面にやっていただけるので、米や醪の重要なことに我々が注力できるという点が良いところだと思っています。

あと小町さんの場合、通年ではなく季節的な「忙しいこの時期に頼む!」という感覚じゃないですか。それは他の業界にも派遣会社として参考にしてもらいたい所というか、一時的・臨時的な使い方が本来だと思うんですよね。いつもお酒造りのハイシーズンにお声をかけていただけますが、そこは考え方として割り切ってご利用いただいている部分でしょうか?

年がら年中、同じ仕事ができる環境ではないので、酒造りの時期、またその中でも洗い物が・・・というと更にさらに集中してきます。いろんな意味でこの時期だけお願いできるのは非常にありがたいです。
元々は農閑期と酒造業は持ちつ持たれつで制度ができたところがありますが、もはや今、農家さんが出稼ぎなんていう時代ではないので、勝手な言い方ですが、昔の出稼ぎ制度と重なる部分があります。
技術の伝承は当然必要なので今後も雇用に対しては力を入れないといけないと思っていますが、どうしてもピークはあります。要は「手が必要」という時期はあるので、その意味では非常に助かっています。

ヤマとタニが御社の場合ははっきりしている?

酒造業全般に言えますが、製造期と販売の繁忙期が合致します。11月から12月は製造のピークでもあり、販売のピークでもあります。1月2月は製造のピークに加え、実はイベントなどが花盛りとなります。全ての手がそこに足らなくなるという意味では、夏場にできる人材の異動が冬は全くできないという意味でハイシーズンははっきりしていますね。

金武さんはイベントで百貨店さんにも多く足を運ばれているイメージですが、その時は蔵にはいらっしゃらないですよね。そんな日は・・・

私がいない時の洗い物がありがたい。それをやっていただけることによって翌日からキチッと仕事ができる。ない時は月曜日から(先)週末の洗い物をしないといけないということもありましたので。そういう意味で非常にありがたいですね。
正直な話、誰も好きで掃除をやりたがるわけではないので、そう考えると下支えという意味でとても助かりました。

宣伝とか最近の小町さんのニュース的なこと・・・微力ながらPRになればと(笑)。

正直、日本酒ブームが来ています。海外は20年以上前から手を掛けていましたので、偶然の要素も一杯あるんですけど、今花開いているというところです。ただ地元で作っていて、地元の方にお願いして、実は地元に出したいというスタンスでやっております。
「長良川」という名前もいただいていますし、本当に地元の米と水、で今の地元の方で作っている、ある意味100%地酒というのが一つウリになっていますので、岐阜の地酒の中でも是非、「長良川」を選んでいただけるとありがたいなと。
あと今年は何せ手が増え、清潔度が昨年以上に増していますので、確実に品質に出ていると思っています。
岐阜の酒は世界から見たら新潟や東北に比べてマイナーさは否定しませんが、「長良川」という名前でアメリカからアジアから出ておりますので、是非地元の方に呑んでいただきたい。というところでございます。

はい。バッチリですね(笑)。