採用の場面に限らず、日本語の使い分けに悩まされることは多いですね。
例えば(最近は「お祈りメール」と言われるようですが)不採用を通知する際、「ご希望に沿えず」なのか「添えず」なのか、一瞬手が止まります。
こうした迷いは他にもあり、応募者の適性を「図る」のか「計る」のか。書類選考で成果を「収めた」人材なのか「納めた」人材なのか。候補者に他のポジションを「薦める」べきか「勧める」べきか。
実は、これらには明確な使い分けがあり、、、
図る / 計る / 測る / 量る
- 図る:企てる、工夫する(解決を図る、便宜を図る)
- 計る:数や時間を数える(時間を計る)
- 測る:長さや高さを調べる(距離を測る)
- 量る:重さや容積を調べる(体重を量る)
収める / 納める
- 収める:まとめる、手に入れる(成果を収める、箱に収める)
- 納める:義務として支払う、供給する(税金を納める、商品を納める)
薦める / 勧める
- 薦める:推薦する、良いものとして紹介する(人材を薦める、本を薦める)
- 勧める:行動を促す(勉強を勧める、禁煙を勧める)
冒頭の希望に「沿う」「添う」を迷いがちですが、相手の希望という「線」に従えないときは「ご希望に沿えず」だし、その想いに寄り添えないときは「ご希望に添えず」になる。
ニホンゴ、ムズカシデスネ。
発する側の気持ちやニュアンスが大いに関係するが、そこまで受ける側が気付いてくれるでしょうか?
沿う / 添う
- 沿う:線や方針に従う(海岸に沿う、計画に沿う)
- 添う:寄り添う、付き従う(妻に添う、手を添える)
私は専ら「添えず」派です。もちろんメールタイトル(件名)を本文内で指すときは「標題」ですね。

